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同じ月を見ている




 土田世紀の、ヒリヒリと心が痛くなるコミックを、魅力的なキャストで映画化。窪塚洋介が、それまでのイメージとは異なる役どころで、エディソン・チャンが日本語のセリフに挑戦している。幼なじみだった鉄矢とドン、そしてエミの3人。ところがエミの家が焼失し、その原因を作ったとしてドンは逮捕される。7年後、エミの心臓病を治すために、医師を目指していた鉄也の前に、刑務所を脱走したドンが現れる。
 微妙に思いがすれ違う3人の関係を追いながらも、物語はドンの逃亡劇に重きが置かれる。ドンの出演場面が多いわけではないのだが、少年時代からの不思議な能力や絵の才能が、脱走後のシビアなドラマに絡んでいくのだ。つまり、これは「不在」のドラマ。鉄矢とエミが、子ども時代に体験した親友の喪失は、最後までふたりの傷となって消えることはない。残念なのは、脚本や演出が登場人物たちの心情を深くまで伝えきれていないところ。演技は、みんな健闘しているのに! 3人それぞれが眺める半透明の月や、一面の花畑などの映像が、悲痛な展開にリリカルなテイストを加味している。



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